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この記事で理解できること
- ヘイトスピーチ条例の可決(2019年12月12日)
- ヘイトスピーチの定義
- ヘイトスピーチ禁止条例の問題点
- 川崎市議会議員選挙の結果(2019年4月7日執行)
- 川崎市での街宣現場の様子
ヘイトスピーチ条例の可決(2019年12月12日)
神奈川県の川崎市議会において2019年12月12日に『川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例(以下、ヘイトスピーチ禁止条例と記載)』が可決しました。
これは賛成57名、反対(退席)2名により可決となりました。
この条例は外国にルーツがある人達へ差別的な言動を繰り返すと刑事裁判を経て最高50万円の罰金が科されるといった内容です。

厳密には条例でヘイトスピーチという言葉なく「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」の表現が使われますが、この記事では読みやすいようヘイトスピーチと書きます。
ヘイトスピーチの定義
川崎市ヘイトスピーチ禁止条例の『ヘイトスピーチ』は「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律(第2条に規定する「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」と同義としています。
ここでいうヘイトスピーチは次のように定義されます。
- 対象が「本邦の域外にある国若しくは地域の出身である者又はその子孫であって適法に居住するもの」であること。
- 「差別的意識を助長し又は誘発する目的」を有すること。
- 「本邦の域外にある国又は地域の出身であることを理由として」いること。
- 「本邦外出身者を地域社会から排除することを煽動する」ものであること。
そして具体的な発言については次のようなものが該当すると例に挙げています。

つまり規制や罰金が科される対象は日本人から外国人へのヘイトスピーチに限り、外国人から日本人へのヘイトスピーチは対象とならない条例になっています。
参考:川崎市 本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律に基づく「公の施設」利用許可に関するガイドライン
これは川崎市議会議員(川崎区・日本共産党)の片柳すすむ議員もTwitterで説明しています。
ちなみに外国政府に対する批判や悪口はヘイトスピーチ禁止条例による処罰の対象外です(参考:川崎市 「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」 個別の表現・言動に関する質問 北朝鮮や韓国の悪口を言ったら、罰金刑になるのですか。)
ヘイトスピーチ禁止条例の問題点
ヘイトスピーチ禁止条例の問題点は規制・処罰の対象が日本人に限定している点にあります。
日本人に対するヘイトスピーチについて、地域に居住する市民の平穏な生活が脅かされる程の立法事実(ある法律や条例が存在する合理性の根拠となる社会的事実)がないため、条例による規制は必要ないと川崎市は判断しています。

出典:川崎市「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」 日本人差別という指摘に関する質問 なぜ本邦外出身者に対する差別的言動だけを禁止し、罰則を設けたのですか。
ちなみに川崎市は日本人差別でないかという質問に対して、日本人に対する差別的言動が許されるということではないとHPで見解は示しています。

川崎市議会議員選挙の結果(2019年4月7日執行)
このヘイトスピーチ禁止条例の可決に関わった川崎市議会議員選挙(2019年4月7日執行)の結果を振り返ります。
川崎市議会議員の定数は60名でした。

得票数の結果は有権者の約121万人に対して、投票率は約41%、無投票率は約58%でした(小数点は切ってます)

投票者が投票した議員の党派別得票率は次の通りです。
得票率は自民党が約33%と一番多く、あとはその他党派で割拠しました。

上記のグラフに無投票者数と無効票数を考慮した場合、グラフは次のようになります。

最終的な会派別の議員数は次のような結果になりました。
自民党19人、共産党11人、公明党11人、みらい(立民)11人、その他8人です。
衆・参議院議員の勢力図とはだいぶ異なることがわかります。

様々な会派(政党)らの議員の方々が川崎市のヘイトスピーチ条例に賛成したことがわかります。
川崎市に限らず地方統一選挙の投票率は低い傾向にあるので、少しでも各個人の民意が反映されるように投票率がUPすれば良いなと思います。
データソース:川崎市 平成31年4月7日執行 川崎市議会議員選挙
川崎市での街宣現場の様子
いくつか実際に川崎市で開催された街宣現場の動画を紹介します。
この問題について理解を深める判断材料としてご覧下さい。
①日の丸街宣俱楽部の街宣活動に参加してスピーチをする女性の様子(5分6秒~から女性のスピーチ開始)
②日の丸街宣俱楽部の街宣活動に参加してスピーチをする男性の様子。
③川崎の街宣に対するカウンターデモの様子(通りすがりの女性の発信)
④川崎の街宣に対するカウンターデモの様子(街宣に反対の立場からの発信)
⑤ヘイトスピーチについて啓蒙する共産党の川崎市議会議員(街宣に反対の立場からの発信)
⑥コロナ渦で咳を吹きかける街宣に反対の立場の男性の様子(カメラを持っている人)
さいごに
さいごに、この記事に関連した動画に寄せられたコメントを紹介して締めたいと思います。

有効得票率が半数以下は議員資格無効にして、再選挙が必要なんじゃないか。?

川崎って市議会議員が入れ替わったら変わるのかなぁ‥。 賛成57/59人ってことは、33%(20人?)の自民が率先してこの法案通してるんですよね? これは自民党の党方針なのかな?誰がなっても同じなのかなぁ? 市長が変わると変わるのかな? 疑問がいっぱい

つまらん条例作ったな、と思ってました。中身が問題で、極端なヘイトスピーチは規制があっても仕方ないとは思ってます。 一般的に意思を表現する位は取り締まる必要は全くないと思う。

選挙に関心無い人が多いのは理解するが、だからといって、投票率が50%切っても議員になれる事が問題でしょうね。?そろそろもう遅いかもしれないが、選挙法を改正して、投票率が50%下回った場合は再投票選挙にすべきじゃないかな。?それで税金を使われてもしょうがない。最近の議員の行動をみてると民意を反映してるとは思えないですよね。

神奈川、沖縄、静岡、北海道は特に赤くなってるように思うけど日本全国だと思う。もう少し時間かかりそう。

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今回の記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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グラフ兄さん